「日経225先物」も「くりっく株365」もどちらも日経平均株価指数をベースに誕生したデリバティブ商品です。
個人投資家にとって「日経225先物」と「くりっく株365」はどちらが投資対象として優れているのでしょうか?
私はどちらも取引した経験があるので「日経225先物」の方が良いという持論を持っていますが、「くりっく株365」と比較してそれぞれどんな違いがあるのか、メリット・デメリットも含めて解説していきます。
日経225CFD「くりっく株365」と比較した日経225先物のメリット・デメリット
日経225先物と「くりっく株365」との違いを比較
2010年11月に東京金融取引所によって日経平均株価指数を対象にした「くりっく株365」というCFD市場がオープンしました。
くりっく株365は日本で初めての公的な取引所による「株価指数証拠金取引」で、NYダウやDAX、日経225の株価指数を対象にしたトレードを行うことが可能になりました。
くりっく株365は日経225先物に比べて買いで配当が受け取れるというメリットもあり、今後は人気が出てくる可能性があります。
日経225先物と違い、くりっく株365は毎日の値洗いが無いので株やFXと同じような感覚でトレードができるのが特徴です。
くりっく株365の取引単位は日経225先物ミニと同じ日経平均株価の100倍となっており、日経平均10円の動きで1,000円の損益、日経平均100円の値動きで10,000円の損益となります。
呼び値の単位は日経225先物ミニの5円刻みと比較して「1円刻み」での変動となります。
これは一見すると5円刻みよりも1円刻みの方が有利に見えますが、くりっく株365はBID(売り)とASK(買い)の差が1円で納まることはほとんどありません。
相場参加者が少ない時間帯はBID(売り)とASK(買い)の差が平気で20円~30円前後に広がるので短期トレード、デイトレードではスプレッド負けしてしまう可能性がありオススメしません。
さらに「くりっく株365」はスプレッドが広いだけではなく、さらに片道の取引手数料がなんと150円もかかります。
日経225先物ミニはスプレッド無しで片道約30円ぐらいなので、トレードでかかるコストが高いのがデメリットです。
デイトレード、スキャルピングで取引する分には5円刻みの日経225先物ミニの方が断然有利です。
あと先物では相対取引が禁止されていますが、CFDでは禁止されていません。
CFDには「店頭CFD」と「取引所CFD」の2種類があり、店頭CFDでは証券会社の呑み(顧客のポジションと反対のポジションを証券会社が持つ)行為が禁止されていないので、証券会社側が顧客に不利益なことを仕掛けてくる可能性が排除できません。
しかしながら「くりっく株365」は公式な取引所を介した「取引所CFD」のため、証券会社の呑み行為は無く、顧客との利益相反がありません。
日経225先物と比較した場合、
- 毎日の値洗いが無い
- スプレッド広い
- 手数料が高い
- 建玉の保有期間が最大15ヶ月と長い
などの点から「くりっく株365」は短期トレードというよりもスイングトレード向きと言えます。
「くりっく株365」は配当がもらえるのが魅力
日経平均の指数を取り扱う取引所CFD「くりっく株365」は買いポジションの場合、毎月決まった日に配当をもらうことができます。
これは日経225先物には無い大きなメリットとなります。
さらに、3月、9月の株の配当時期にはくりっく株365でも大きな配当がもらえます。
例えば2017年~2018年の事例を紹介すると
- 2018年3月:1枚あたり15,833円の配当
- 2017年3月:1枚あたり13,235円の配当
- 2017年9月:1枚あたり13,121円の配当
- 2017年4月、10月、11月:無配当
- 2017年その他の月:140円~1,160円前後
くりっく株365の1枚あたりに必要な証拠金は2018年8月現在、76,000円です。
76,000円の証拠金に対して13,000円~15,000円の配当がもらえるというのはかなりオイシくないですか?
初めて「くりっく株365」をトレードした時、3月、9月の配当の多さに「こんなにもらえるの!?」とビックリした経験があります。
ただし、配当権利確定日に売りポジションを保有している場合、保有している枚数×配当金を逆に支払わなくてはいけませんのでその点は注意が必要です。
3月、9月の高額な配当が出る時期を狙ってくりっく株365を買ってみるというのも面白いです
くりっく株365(日経225CFD)のメリット
- ほぼ24時間トレードできる
- 日経225先物と違って日本の祝祭日もトレードできる
- 買いの場合、株式のように配当を受け取れる
- レバレッジが20倍~30倍と日経225先物と同程度のレバレッジ
くりっく株365(日経225CFD)デメリット
- スプレッドが広く短期トレードには不利
- 片道の取引手数料が150円と高い
- 売りポジションを保有している場合、配当月には配当分を支払わなければならない
- 証券会社のシステム障害のリスク
- 建玉の保有期間が最大15ヶ月に変更されたため含み損ポジションをずっと握り続けることが出来ない
一方、日経225先物のメリットとデメリットを考え得る限り以下に列挙してみます。
日経225先物のメリット
- スプレッド等の変動がなく呼び値が常に一定
- 取引手数料が安い
- 1、2の理由から短期トレードに最適
- 市場参加者が多く流動性が高い
- 証券会社の呑み行為が不可能な為、いくら稼ごうが口座凍結の心配が無い
- アクティブ口座を使うと実行レバレッジが37.8倍になり資金効率が高い
日経225先物のデメリット
- 毎日のザラ場後に「値洗い」があるため含み損がすぐに損失として確定してしまう
- 限月ごとに取引期間が決まっている
- 1,2の理由から長期投資には向いていない
- 値がさ株の影響を大きく受けるため資金力のあるプレーヤーに価格操作をされやすい
- 取引時間が短い
- 祝日は取引できない
- 証券会社によって1枚あたりの必要証拠金が違う場合がある
- 証券会社のチャート分析ツールがしょぼい
まとめ
個人的な意見ですが、こうやって「日経225先物」と「くりっく株365」のメリット・デメリットを改めて確認してみると、ハイレバレッジでシステムが安定しており、フェアな取引ができる日経225先物取引の良さが際立ちます。
日経225先物の悪い点を強いて挙げるならば相場の状況によりボラティリティが低い局面がしばしばあることですが、これは1分足などの短い時間軸のスキャルピングで対応できます。
国内の証券会社のチャートツールの機能、テクニカル分析ツールなどがショボ過ぎることが気になりますが、そのデメリットはTradeviewを使うことで解決できます。
いろいろとトータルで考えた結果、レバレッジを効かせて短期間で大きく稼ぎたい場合は日経225先物のトレードが個人的にはおすすめという結論になります
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